は じ め に
はじめに
人間は多様なリスクに曝される中で技術革新や制度改革そして人材改新を通して社会変革を成し遂げながら生活してきた。しかし日本も世界も未だ多くの課題を抱えている。こうした中において自らを活かしていくために社会と世界の現況に対する理解を深めそして専門分野の展開の幅広い基盤を固めるべく、広範な教養を高めていくことが必須である。
社会の幅広い領域において諸々の機関が人々の多様な要請に応えて学習の機会を提供している。また、多彩な背景を持つ人々がそれぞれの立場で役割を担いつつ勉学に励んでいる。こうした力を糾合して新たな総合的かつ実践的な学習の機会を創成するべく「知の市場(FMW:Free Market of・by・for Wisdom)」を構築した。
「知の市場」は、自立的で解放的な協力関係を形成しながら人々が自己研鑽と自己実現のために立場を越えて自ら活動する場(Voluntary Open Network Multiversity)である。そしてプロ人材の育成と高度な教養教育の接合及び社会人教育と学校教育の結合という二つの融合を促進する挑戦である。
理 念
理念
「知の市場」は、「互学互教」の精神のもと「現場基点」を念頭に「社学連携」を旗印として実社会に根ざした「知の世界」の構築を目指して、人々が自己研鑽と自己実現のために自立的に行き交い自律的に集う場とする。
基 本 方 針
基本方針
- 「知の市場」は、総合的な学習機会を提供するとともに実践的な学習機会を提供する。このため社会の広範な領域で活動を展開する機関が協力し、実社会で実践してきた多彩な講師によって開講する。
- 「知の市場」は、科目、講師など開講に関する情報を充分に提供し、受講者が自己責任により自由に受講科目を選択することを基本とする。このため科目の内容や開講の実績などを事前に公開する。
- 「知の市場」は、学生・院生を含む広範な分野の多様な社会人の受講を想定し、強い学習動機と積極的な参加意思を有する者を受講者とすることを基本とする。
- 「知の市場」は、科目(120分授業15回2単位相当)を一つの単位として開講し受講することを基本とし、大学・大学院に準拠した厳しい成績評価を行うことを原則とする。そして所定の成績を修めた受講者には受講修了証を発行する。
- 「知の市場」は、知の市場で開講する科目を諸々の大学・大学院が学生・院生の履修科目として位置づけ単位取得の対象とすることを奨励するとともに、社会人の修士号、博士号の取得に活用することを推奨する。また、社会人に対して学校教育法に基づく履修証明書を発行することを勧奨する。
- 「知の市場」は、開講機関や連携機関などが「知の市場」の活動を通して醸成した信頼関係をもとに、連携・協力関係を深化させ、教育において新たな活動を試みることを推奨し、支援する。
運 営 体 制
運営体制
- 「知の市場」は、受講者、講師、友の会、開講機関、連携機関、連携学会、協力者・協力機関、知の市場事務局などのそれぞれの活動によって構築する。
- 受講者は、強い学習動機と積極的な参加意思を持って講義に参加し小論文などを提出しつつ自己研鑽に励むとともに、受講科目に関する調査や評価そして講座の運営などに自主的、自立的に協力することを通して「知の市場」に参画する。
- 講師は、自立した個人として自らの経験や見識をもとに自律的に責任を持って講義を展開し受講者の学習意欲に応えることを通して「知の市場」に参画する。
- 友の会は、「知の市場」の受講経験者と講師経験者などで構成し、「知の市場」に関する情報を共有するとともに調査や評価そして講座の運営などに自主的、自立的に協力することを通して「知の市場」に参画する。
- 開講機関は、連携機関の支援を得つつ知の市場事務局と協力して自主的、自立的に講座を開講することによって「知の市場」に参画する。
- 連携機関は、科目の構成、講師の配置、教材の作成など開講する科目を準備し講義の実施に自主的、自立的に取り組むことによって「知の市場」に参画する。
- 連携学会は、「知の市場」に参画する受講者や講師に実社会に根ざした学術発表や論文投稿の機会を提供するとともに、自己研鑽と自己実現を深化するための場を提供することを通して「知の市場」に参画する。
- 「知の市場」は、個人であると法人であるとを問わず、自発的意志により活動に参画する者或いは活動を支援する者を、協力者・協力機関と位置づけ歓迎する。
- 知の市場事務局は、関係者の意見交換を促進し共通認識を深める機会を 設けるとともに、「知の市場」の規範を策定し、また調査・分析・提言を行いつつ共通課題に対処し、連携機関や開講機関の活動そして受講者や講師の活動などを支援することによって「知の市場」に参画する。
- 「知の市場」は、共催講座や関連講座を主催する開講機関、科目を組織する連携機関、並びに知の市場事務局の代表及び議長によって構成する協議会を組織する。協議会は、「知の市場」の運営について審議し、円滑な実施のための連絡調整に資することによって「知の市場」に参画する。協議会の議長は会長として「知の市場」を代表する。
- 「知の市場」は、外部の有識者、経験者などによって構成する評価委員会を組織する。評価委員会は、「知の市場」の実施状況および成果を大局的に検証し評価することによって「知の市場」に参画する。
沿 革
沿革
1980年代 |
社会構造変化と技術革新に関する調査を出版する。
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1990年代 |
産業技術の歴史の継承と未来への創造、化学と地球環境、科学的方法論が先導する安全論議などに関する調査を出版する。
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1998年度 |
「現の世界」に対して「知の世界」が存在感を増す「知の時代」が到来する中で「知の世界」の再構築が不可欠であることを提起する。
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2000年度 |
実社会で実践してきた経験とともに大学・大学院などで教鞭をとった経験を有する有志が集い教育に関する論議を開始する。
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2002年度 |
好奇心のための科学(Science for Curiosity)や欲求のための科学(Science for Desire)に対して社会のための科学(Science for Society)や政策のための科学(Science for Policy)そして規範のための科学(Regulatory Science)が世界の学界で論じられる新たな情勢を踏まえて、実社会に根ざした「知の世界」の構築を目指して活動を本格化する。
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2003年度 |
「互学互教」、「社学連携」、「知の市場」などの概念を創造し、社会に理念として提起する。
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2003年度 |
理念を共有する有志を糾合し、実社会に根ざした教材の作成を本格的に開始する。
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2003年度 |
時代の変化に即応しつつ体系的な講座を展開するため、科目の構成や講師の配置などに役割を果たす連携機関の概念を提起するとともに、連携機関を発掘し協力関係の構築を進める。
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2004年度 |
実社会での実践的活動をもとにした学会発表や論文投稿を促進するため、化学生物総合管理学会を設立する。
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2004年度 |
5年計画で「化学・生物総合管理の再教育講座」を開始する。
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2006年度 |
「現場基点」の概念を提起し、「互学互教」、「社学連携」の概念に追加して「知の市場」の理念を完成する。
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2006年度 |
実社会での実践的活動をもとにした学会発表や論文投稿を促進するため社会技術革新学会を設立し、連携学会の体制を強化する。
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2008年度 |
「化学・生物総合管理の再教育講座」の視野を拡大し新たな展開を図るため、「知の市場」の理念を中心に据え新展開を開始する。
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2008年度 |
開講機関の概念を導入して運営体制を強化する。
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2008年度 |
2004年度15科目、2005年度56科目、2006年度58科目、2007年度55科目、2008年度37科目を開講する。理念や基本方針が広く全国から支持され、46の開講機関や連携機関などの協力のもと1,731名の講師そして6,017名の応募者が参画して「化学・生物総合管理の再教育講座」の5年計画は高い評価を得る。
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2009年度 |
「化学・生物総合管理の再教育講座」を発展的に継承しつつ、さらに視野を拡大して「知の市場」の新たな展開を本格化し、全国23拠点で101科目(119科目相当)を599名の講師の参画で開講する。延べ4,374名の応募者が参画した。
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2012年度 |
「知の市場」の展開を拡大して、全国31拠点で計76科目を開講する。
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体 系 と 機 能
.体系と機能

共催講座
共催講座
- 「知の市場」は、「知の市場」の理念と基本方針に沿いつつ「知の市場」の運営体制を踏まえて、連携機関の協力のもと開講機関の主催により共催講座を開講する。
- 共催講座は、社会と世界の現況に対する理解を深めそして専門分野の展開の幅広い基盤を固めるために広範な領域で開講するが、時代の進展などに配慮しつつ適宜見直し進化する。
関連講座
関連講座
- 「知の市場」の活動の輪を広げるため、共催講座での経験を活かした活動、開講機関や連携機関が実施する活動、自己研鑽と自己実現に資する活動などであって「知の市場」の理念を共有する活動を関連講座として位置づける。
- 関連講座は、「知の市場」の基本方針を念頭に置きつつも諸般の情況を踏まえて個々の主催者が自らの主体性と責任のもとで柔軟かつ弾力的に運営する。講座は講義回数などによってユニット、科目、コースに分類する。
- 当面、教養編、専門編、研修編、大学・大学院編の4つの領域を設定する。
開講機関
開講機関
- 「知の市場」の理念を共有し、連携機関の支援を得つつ知の市場事務局と協力して、広報や受講者の募集、開講場所の確保、講義資料の準備などを行い、自主的、自立的に共催講座や関連講座を主催する機関を開講機関と位置づける。
- 開講機関は、知の市場事務局と協力して、受講修了証や履修証明書などを発行する。
- 開講機関は、知の市場事務局の支援を得つつ、「知の市場」を学生・院生の単位取得の対象とすることを推進し、また社会人の修士号や博士号の取得に活用することに努める。
- 開講機関を添付表1に示す。
連携機関
連携機関
- 「知の市場」の理念を共有し、開講機関や知の市場事務局と協力して、「知の市場」の科目の構成、講師の配置、教材の作成など開講する科目を準備し講義の実施に自主的、自立的に取り組む機関を連携機関と位置づける。
- 連携機関を添付表2に示す。
連携学会
連携学会
- 「知の市場」の理念を共有し、「知の市場」に参画する受講者や講師に実社会に根ざした学術発表や論文投稿の機会を提供するとともに自己研鑽と自己実現を深化するために研究会などの場を提供する学会を連携学会と位置づける。
- 当面次の学会を連携学会とする。
- 1)社会技術革新学会(詳細はhttp://www.s-innovation.org/を参照下さい。)
- 2)化学生物総合管理学会(詳細はhttp://www.cbims.net/を参照下さい。)
協力者・協力機関
協力者・協力機関
- 「知の市場」の理念を共有し、ホームページへの掲載やメール配信などによる広報、資金や開講場所の提供などの種々の方法によって、自発的意志に基き「知の市場」の活動を支援する個人や機関を、協力者・協力機関と位置づける。
- 協力者・協力機関の協力内容については、原則、情報を開示する。
- 協力者・協力機関を添付表5に示す。
知の市場事務局
知の市場事務局
- 関係者の意見交換を促進し共通認識を深める機会を設けるとともに、「知の市場」の規範を策定しつつ広報などの共通課題に対処し、連携機関や開講機関の活動そして受講者や講師の活動などを支援する組織を知の市場事務局と位置づける。
- 知の市場事務局は、開講機関や連携機関、受講者や講師などの協力を得て、知の市場の運営に係わる調査、科目構成や講義内容などの改善を図るための調査などを実施するとともに、分析、評価して必要な提言を行う。
- 知の市場事務局は、知の市場の会長と密接な連携を保ちつつ活動する。
- 当面、お茶の水女子大学ライフワールド・ウオッチセンター(増田研究室)内に知の市場事務局をおくほか、大阪事務局をおく。
協議会
協議会
- 「知の市場」の運営について審議し、円滑な実施のための連絡調整の場として、共催講座や関連講座を主催する開講機関、科目を組織する連携機関、並びに知の市場事務局の代表及び議長を構成員とする協議会を設置する。
- 協議会の議長は互選とし、協議会議長をもって知の市場の会長とする。
- 協議会の構成員を添付表3に示す。
評価委員会
評価委員会
- 「知の市場」の実施状況および成果を大局的に検証し評価する場として、外部の有識者、経験者などを構成員とする評価委員会を設置する。
- 評価委員は個人の資格で評価委員会に参画し、個人としての見識に基づいて意見を述べる。
- 評価委員会の構成員を添付表4に示す。
知の市場の構造 - 講座の位置付け -
知の市場の構造-講座の位置付け-

- *早稲田大学規範科学総合研究所との共催科目
